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現地レポート

元日本代表アナリストが、女王に挑む RSS

2015年1月2日 18時37分

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実力に圧倒的な差がないとき、相手を上回るために大切なこととして「相手を知る」ことが挙げられる。孫子の兵法にも「彼を知り己を知れば百戦して殆からず」とある。

インカレ(全日本大学バスケットボール選手権大会)・3位決定戦の再戦となった女子2回戦、東京医療保健大学と大阪体育大学の一戦は、【67-57】で東京医療保健大が競り勝ち、3回戦に進んだ。チームを率いる恩塚亨監督が言う。
「大阪体育大学は1つのレギュラーオフェンスを徹底してやってくるチーム。それに対して私たちも準備をしてきたのですが、それをさらに大阪体育大学がアジャストし、それをまた私たちが修正していく。そんなゲームで、やっていてとてもおもしろいゲームでした」
お互いが出せる力、持てる戦術を尽くして、勝利に向かう。バスケットならずとも、スポーツの醍醐味といっていい。

指示を出す東京医療保健大学・恩塚亨監督

指示を出す東京医療保健大学・恩塚亨監督

結果は上記のとおり、東京医療保健大がインカレ同様に勝利を収めたわけだが、その勝因についても、恩塚監督は手ごたえを得たようだ。
「インカレの決勝戦で早稲田大学と対戦したときに感じたのが、1人や2人が頑張ってもダメだということ。3人目以降がどう味方のピンチを感じて動けるか。『苦しいときにお互いがお互いを感じる』ことを、インカレ後のテーマにしてきました。今日はチームの苦しい場面で3人目の選手が味方のピンチを感じて、ゴールに向かって攻めることができました。それが終盤の連続ポイントに結びついて勝利にもつながったのだと思います」
1人、もしくは2人のエースに頼るのではなく、3人目、4人目、そして5人目の選手までもがチームの状況を感じ、次の動きを見極め、動いていく。そうすることで厚みのある攻撃、厚みのあるディフェンスが生まれると、恩塚監督は考えるわけだ。
選手を見れば、高校時代から全国的に名を馳せた選手は多くない。それでも初出場のオールジャパン2015で2回戦を突破したのは、恩塚監督が厳しくも緻密にチームを作り上げてきた手腕の賜物だろう。

東京医療保健大学は明日、チーム一体となって、JX-ENEOSサンフラワーズに挑む

東京医療保健大学は明日、チーム一体となって、JX-ENEOSサンフラワーズに挑む

3回戦の相手はJX-ENEOSサンフラワーズ。言わずと知れた日本の女子バスケット界の頂点に立つチームである。勝つことはけっして簡単ではないが、何か1つでも爪跡を残してやろうという強い意志は、東京医療保健大にもある。
恩塚監督はチームを率いる前、女子日本代表のアナリストとして、通算で6年間、世界と戦っている。アナリストとは、相手チームの戦力や戦術を分析する担当者である。つまり同等もしくは格上のチームに対して、日本がどう対峙していくかを、世界レベルで見てきているのだ。むろんJX-ENEOSの選手たちのことも、日本代表のチームメイトとしてずっと見てきている。
「当時の私の仕事は、いかに自チームのアドバンテージを見つけ、戦術的に薄くなる部分を探すか、というところでした。その点でいえば、JX-ENEOSに対しては、ボールと人をしっかり動かして、相手を振り回すこと。そうしてノーマークを作っていきたい」

全員が恩塚監督の思いを感じ取り、チームが一体になれば、敵わずとも女王を慌てさせることができるかもしれない。

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